まだ明けやらぬ、ニューヨークの薄暗い通りの奥から、1台のタクシーが、ゆっくりやってきます
静かに、ゆっくり、時が流れています・・・
“ムーンリバー” の音楽が、ゆっくり流れ始めます
タクシーから降りた、黒いドレスの “オードリー・ヘップバーン” が “ティファニー” を見上げます
ウィンドーに近づいていきます
ウインドーの前で、紙袋をあけ、パンを口にくわえます
紙袋の中から、コーヒーでしょうか・・・飲み物を出してフタを開け、フタを紙袋に落とします
ウインドーの中をのぞきながら、パンをかじり、飲み物を飲みます
そして、ウインドーに映った、自分の姿を見て、ちょっと首をかしげます
自然だけど、不安定な自分がそこに映っています
段々夜が明け、明るくなっていきます
そして、ゆっくりその場を離れていきます
“ムーンリバー” の音楽は、ゆっくり流れ続けています
さて、いよいよここから映画が始まります・・・
映画 “ティファニーで朝食を” のオープニングシーンの素晴らしさ・・・
まったくスムーズで、自然な動きで、なんておしゃれで、かっこよくて、なんてキュート・・・
このオープニングシーンは、何度も見たくなります
“ジバンシー” の、黒のカクテルドレスもすてきです
このオープニングシーンだけで、胸が熱くなります
もう一つ “オードリー・ヘップバーン” が、窓辺に座って、ギターを弾きながら “ムーンリバー” を歌うシーン・・・
歌い終わって、満面の笑顔で、上を見上げます・・・
歌は、うまくないけれど、むしろ稚拙ですが・・・
そのハスキーボイスに、その笑顔に、心をつかまれます・・・
音楽は “ヘンリー・マンシーニ” ・・・この曲で、アカデミー賞とグラミー賞を取りました
この映画の監督は “ブレイク・エドワース” ・・・ “ピンクパンサー” シリーズの監督です
ところどころに、その傾向が見られます
“ブレイク・エドワース” らしい、ステレオタイプの日本人の登場には、辟易しますが・・・
でも、この映画の内容そのものは、中途半端で、消化不良です
原作は、なんと “トルーマン・カポーティ” ・・・ “冷血” の作者です
主題が、負けてしまって “オードリー・ヘップバーン” の魅力と “ムーンリバー” の曲だけの映画になってしまったことが “幸い” でした
原作とは、全く違うテイストの映画になったのがよかったのね
この曲は、多くの歌手がカバーしているわよね
本命は “アンディ・ウイリアムス” の “ムーンリバー” でしょ
“エルトン・ジョン” の歌も、なかなかいいわよ
極めつけは “エリック・クラプトン” と “ジェフ・ベック” の “ムーンリバー” だね・・・涙が出てくるよ・・・
映画の中で、オードリーヘップバーンが歌うシーンは、あまりに下手だから、カットされそうになったらしいわね・・・
あのシーンを外そうとするなんて、どういう映画を作ろうとしたんだろうね・・・
“ニューヨーク” には、行ったことがないから、写真は “パリ” なのね・・・
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