アフガンコート カブールのバザールで アフガニスタン 

アフガニスタンを旅したのは、冬でした

中近東あたりを、ぶらぶらしているとき、欧米のヒッピー達が羊の皮でできた “アフガンコート” を着ており、とてもかっこよく、また暖かそうだったので、アフガニスタンに行ったとき、絶対に買おうと思っていました

カブールの旧市街のバザールへ行くと、イスタンブールやテヘランのグランバザールとはまた違った、まさに中世の時代そのものの中に迷い込んだかのような、シルクロードの、不思議なめずらしいものがいっぱいありました

並みの観光客なら簡単にやられてしまいますが、旅にもだいぶ慣れ、私ほどのベテランになると、値段の交渉には、自信がありました

手の内を見せないゲームです・・・ゲームと割り切り、楽しむ余裕が必要です・・・ゲームの鉄則です

何軒かそれらしい店をまわり、店に入ると慣れているようなふりをし、ゆっくり品定めしながら見て回ります

気に入ったものが見つかってもスルーします

そして、逆にダミーのものを気に入ったかのようにふるまいます

相手も百戦錬磨の、シルクロードの商人です

お茶を飲み、世間話をしながら、仲良くなります

ダミーのものの値段交渉をし、とにかく自分が欲しいものを、相手に読まれないことが肝心です

時には “話にならない・・・” と怒ったふりをして店を飛び出し、しばらくして何事もなかったかのようにまた店に戻り、相手もまたニコニコと迎え、またお茶を飲みます

そろそろかな・・・と頃合いを計りながら、じゃあこれは・・・と、いくつか選び、ほんとにほしいものを混ぜて交渉します

2日がかりで、気に入ったアフガンコートを手にすることが出来ましたが、連れのアメリカ人から、なかなかホテルに帰ってこないので、誘拐されたかと心配されました

丈もちょうどいい、濃いベージュのバックスキンのコートで、裏はまだ生まれる前の子羊の、クルクルした巻き毛の皮が張ってありました

東京に持って帰りましたが、さすがに街中で着るのが恥ずかしく、そのうちに、虫がついてダメになってしまいました

値段交渉は、根競べなのね・・・

怒ったり焦ったりするのはのは禁物ね

余裕がないとね・・・なにしろ、交渉する時間はたっぷりあったからね

どちらが勝ったのかは、わからないわね

多分、商人のほうね・・・

現金だけではなく、自分の持っている物との交換も可能で、自分の持ち物に値段をつけて、どんどん売り払っているヒッピー達もいたよ

衣類から、鉛筆や輪ゴムまでなんでも売れたらしいわね

まだ物が、そんなに豊富ではなかったのね

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