“館島”・・・東川篤哉

東川篤哉の本格ミステリー長編小説です

以前ブログに書きましたが、東川篤哉は短編ミステリーを多く書いています

ベストセラーになった “謎解きはディナーのあとで” シリーズのほか、私立探偵ものの “烏賊川市シリーズ” や、学園ものの “鯉ヶ窪学園探偵部シリーズ” などおもしろく読みました

それらすべて、推理小説と言っても “ユーモアミステリー” です

“本格推理” 大好きな私は、今まで敬遠していたのですが、読んでみると面白い・・・

ユーモアのセンスが抜群で、本格推理と言っても気合を入れずに、気軽にすらすらと読むことが出来ます

いままで、短編のものしか読んだことがありませんでしたが、長編のものも読んでみようと “館島” という本を買ってきました

だいたい何と読むのでしょう・・・ “やかたじま” でよいのでしょうか・・・

長編です・・・なので、短編のユーモアミステリーとは違う、本格ものだろうと勝手に思っていました

しかし、その予想は、冒頭の1行目から見事に簡単に覆されます

1行目から、ユーモア全開です

やっぱり・・・というか、本格ものだと想像していた私が甘かったようです

どうしても、勝手にユーモアミステリーになってしまうようです

ユーモア全開と言っても、トリックと謎解きは、本格ものに間違いありません

瀬戸内海の孤島の、六角形をした奇妙な建物の中で、殺人事件が起こります

“クローズドサークル” という状況のなかで “奇妙な建物” と、外は “嵐” ・・・定番の舞台設定です

そしてその半年後、事件関係者が集まったその中で、また殺人事件が連続して起きます・・・

ユーモア満載のなかで、事件が進んでいきます

そして終盤、事件のトリックが明らかにされます・・・

以前ブログで、今村昌平の “屍人荘の殺人” のことを書いたとき、100%絶対にありえないシチュエーションだ・・・と書きましたが、その匂いがしてきました

でも、難しい設定ですが、論理的で納得できる結末です

事件の本線とは関係ありませんが、その構造が、どうして “電動” ではないのかな・・・という気がしましたが・・・

“屍人荘の殺人” のように、100%ありえないシチュエーションでもないと思うわよ

“瀬戸大橋” も絡んでくるのね

東川篤哉は、ユーモアを入れないと書けないのね

どうしても、そうなっちゃうんだろうね

かなり悪乗りの部分もあるけどね

その場面の映像が浮かんできて、ツッコミたくなるんだよ・・・

ユーモアのセンスというか、ユーモアの質が合っているのね

謎解きの結末だけではなくって、読んでる途中も楽しめるのね

ユーモアを入れた “推理小説” ではなくって、推理をネタにした “ユーモア小説” ね

映画化はされないのかしらね・・・

コメント